胸きゅん短編集



すると、悪魔の手が私の顔へと伸びてきた。


あぁ、今日も叩かれるのか。


何発かな…。


どうして、祐希くんと話すだけでこうなっちゃうのかな。


やっぱり…好きになっちゃいけなかったのかな。


もう…諦めた方が…いいのかなぁ…。


迫る痛みに目を固く閉じて、涙が溢れそうになるのを我慢した。


「こんな顔っ…台無しにしてやる!」


さらに体に力を入れた…その時だった。


ーーーーー「もうやめとけよ。」


「えっ…!!」


女子たちの驚いた声が聞こえた。


目を閉じてても分かるよ。


1番近くで聞いてた声だもん。


私の…好きな人だもん。