「水谷っ…ごめん。」


よっぽど全力疾走してきたのか、息切れしてる瑞希くん。


「ごめん…って、キスのこと?」


すると、瑞希くんはドキッという顔をした。


悪いと思ってるの?


思ってるならさ…やらないでよ…。


「瑞希くん、私の事、好きじゃないよね。」


「は…?」


素っ頓狂な声がしたけど、私の口は言いたくないことまで口走る。


「私…瑞希くんの事好きなの。いや…ごめん…好きだったの。」


わざと過去形にした。


「もうさ…別れーーーーー」


「その先は…言わせない。」