手首を強く掴まれていて…普通に痛い。 「あのっ…離してください!」 少し大きな声を出すと…。 「ちっ。静かにしろよ!」 …と、怒鳴られた。 ほんとにどうしよう…。 翔…助けて…。 翔っ……。 脳裏に浮かぶのはあのクールな顔ばっかり。 どんどん手を引っ張られ、見えていた私の家は遠のいて行く。 助けてくれる訳ないか…。 翔は帰宅部で、いつもすぐ帰っちゃうんだから。 もう、どうでもいいや。 力を抜いて、ナンパ男たちに着いて行く事にした。