「えっ…」

「?どうしたの?アユ。入らないなの?」

来人、送ってくれたの?

だって、来人の家、私の家から結構遠いよね?

「…送ってくれたの?」

「え?そうだけど?」

なんの事だか分からないと言うようにコテンと首を傾げた。

「いやいやいや、なんで!?だって来人の家ここから遠いでしょ?」

帰るの遅くなるじゃない。

「なんだ、そんなこと?こんな暗い中、女の子1人で帰らせるなんて危ないでしょ?…アユは可愛いんだし」

ふむふむ。

最後の文だけ納得いかないが、来人も大きくなったのね。

おかーさんは感動よ…

「そっか。ありがとう。でも、私は大丈夫だから!例え、誘拐されても相手にメリットないし〜」

アハハと笑って言うと、来人は眉をひそめていた。

「アユ…。もうちょっと危機感もってもらいたい。」

「え?危機感?…失礼なっ、私だって危機感ぐらいもってますよーだ」

少しムキになって言い返すと、来人はため息をついて

「はいはい、わかったから早く家に入んなよ。」

開き直った…

「うん。あの、ありがとう」

私はそう言い残して家に戻ろうとすると

「アユ!ちょっと待って!」

引き戻された。