こんな私でも貴方に愛されますか?

街中のおしゃれな通りへ出た。
いつもは バイトで出かける飲み屋街とは
全然違って いろんな店があった。

「こんなところあるんですね~。」

「来た事なかった?
いい店たくさんあるんだ。
いつかこういうとこで 静かに店やりたいな。」

「居酒屋は向かないのでは?」

「ここならカフェだろうよ。」

「あぁ カフェですね~。」

店長が笑った。
確かに 店長ならカフェも似合いそうだ。


「お ついた。」

「美容室ですか?」

「知り合いの店なんだけどさ
今日はマナのその千円カット系を少し
年相応にしてもらいたいいんだよね。」

「年相応?
ど派手にしないからちょっと任せて欲しいんだ。
マナに似合うようにしてもらう自信あるんだ。」

「それはどうしてです?」

「来週の用事にはとても必要なの。
だからほんと任せてほしいさ。
可愛くするから。」

「手をかけてくれても可愛くなりませんよ。
なった試しがないもの。
だから無駄な努力はしないんです。」


はいはい でたでた
ひねくれモード発動!!

「そう言わずに ちょっと今日は
騙されたと思って言う事聞け。」

いつもにやけ顔の店長の目が厳しくなった。

渋々店長の後をついて店の中へ

「いらっしゃいませ。」
居酒屋とは違う トーンのお出迎え
いい香りのする店内 私が行く千円カットとは
えらい違いだけど

「予約してる鷹嘴だけど・・・オーナーいる?」

これが美容室・・・・・
昔 姉について行ったことあった。

マナも切ってもらえばって言われたのを
全力で断ったの思い出した。

私には場違いなんだもん。
大きな鏡で自分と向き合う時間が長いのが
どうしてもたまらなく嫌だったから。

「こちらへ・・・・。」

奥の部屋のドアが開かれて店長が
入っていったから慌てて 追いかけた。