こんな私でも貴方に愛されますか？

「そう？俺はマナみたいな性格うらやましいよ。」

「そ・・・そんなことないよ。
私なんて結局は自信のないいじけた人間だし。」

なんてついつい言ってしまった。

店長が爆笑して　また私の頭をポンポンして

「それ以上言うな。本性がバレるぞ。」

そう言いながらレジへ行ってしまった。

ちょっと　店長私の本性知ってるの？
ほんと冗談なのか本気なのかわかんない。

「店長って面白いよね。」

「確かに面白いけど怖いよ。」
何考えてるのかわかんないもん。

「でもさすごいよな。
店長ってタカノホールディングスの御曹司なんだって。
美月がHPの写真に写りこんでるの
見つけたらしい。」

「え？マジで！？」

びっくりしたのは・・・・・・

姉の美恵が　CMに出てるから
それがどんなとこかわからないけれど
大きい会社で大学の就活でも人気はあるのは知ってた。

レジでレシートをがん見してる店長を見ながら
意外だなと思った。

「じゃあ　どうしてここで店長してるのかな。」


御曹司なのに　やっぱり店長は変わってる。
きっと縛られたくないとか　そんなことだろうな。

女遊びもできないかもだし
ああいうおうちの人は　政略結婚とかさせられるかもだし

店長には向いてないもんな。

それにしても
みんな就活始めてるのか・・・・・
私はどうしよう。

向こうへ戻るのか

でもここが好きなんだよね。

「いらっしゃいませ！！」

「マナちゃん　雪降って来たよ。」
常連さんの言葉に　

「マジですか～～！？」

雪だ・・・・
特に　冬が大好きなんだよね。

「冬を喜ぶのは　まだまだここの
地獄を知らないからだな。」

毎年店長がそう言って笑うんだ。