:


明日は屋上に行けない。

そんな連絡が水樹くんから入るんじゃないかって、おびえて過ごしたけど水樹くんからの連絡はなかった。


桃井さんが水樹くんに告白したって噂は学校中に流れたけど、王子さまに彼女ができたって噂は、流れてこなかった。


心の底からほっとしてしまう自分を、心の底から情けないと思った。




火曜日、晴れ。

性懲りもなく放課後、私は屋上のドアに手をかける。


抜けるような青い空の下、水樹くんは椅子に座ってて、隣にはきちんと私の椅子を用意してくれていた。



空ってこんなに青かったかなあ。

水樹くんの背中と空を、ぼんやり見つめながら思う。


私の世界の色は、もうすでに変わってしまっている。