「さすがの水樹くんも、なびいちゃったりして」
「うわーんやだ!お似合いだから文句言えないのが、やだ!」
女の子たちの言葉と、水樹くんの告白現場から逃げだすように走った。
のんきに明日を楽しみにしてたけど。
今日、なにが起こるかわからないんだよね。
水樹くんが告白を断らない可能性だって、あるんだ。
寂しい顔なんかせずに、ひとりにならずに、桃井さんの手をとる。
そういう可能性だってあるんだ。
そしたらもう、晴れの日なんてなんの意味もない。
恋を教える、なんて、そんなのももう必要がない。
そもそもなにも教えられてなんかないけど。
さっきまでとはうってかわって、沈んでぼんやりする頭でメロンパンを買って教室に帰ろうとしたら。


