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次の日。天気予報は、晴れのち曇り。
太陽と曇がせめぎあうアプリのイラストを見て思う。
曖昧な天気はきらいだ。
「ちょっと待って……?」
お昼休み、教室で麗ちゃんとお弁当を食べながら、昨日のキスのことをだれにも聞かれないように小声で話すと、麗ちゃんは箸を止めて私を見た。
「なにがどうなってそうなった?」
「わかんない。わりとまじめに話してただけなんだけどな……」
「向こうはなんて言ってたの?」
「なんにも」
あのあと、なにごともなかったかのようにまた昇降口を見て話しはじめた水樹くんに、混乱してわけがわからなくなった私は、そのままひとりで屋上をあとにした。
ばいばい、とか、また明日、とか言うべきことをろくに言わずに出ていったけど、水樹くんは追いかけてくることもなければ、弁解のメッセージを送ってくることもなかった。