「ふふ。でもさっそく使ってるんだ?」
「ここでだけね」
「え、なんで?」
「使ってるとこ見られたら変に期待持たせるので。ですね」
水樹くんは淡々と言って、隣に座った私を双眼鏡で見た。
「よく見えんね」
「よく見なくて大丈夫……!」
あわてて両手で双眼鏡のレンズをふさぐ。
この至近距離で双眼鏡の倍率に耐えられる顔面なんて、水樹くんくらいだきっと!
一瞬でも高倍率で見られたと思うと、恥ずかしくて顔が熱くなる。
「あ、照れてる?」
「照れてない!」
「照れてるじゃん。春田さんって照れ屋?」
あいかわらずストレートに聞いてくるから、かかか、と顔がさらに熱くなった。


