学校イチのモテ王子は、恋を知りたい



委員会の次の日のお昼休み、偶然、あのときは本当に偶然。


裏庭の自販機のそばで、さっそく王子さまの告白現場に遭遇してしまった。


さっと自販機の影に隠れて見た先、うるんだ瞳の女の子に見つめられた彼は。


『気持ちはうれしいけど、ごめん』


静かに丁寧に、それだけを言った。


女の子はうなずき、伝えたかっただけだから、と泣きながら走り去っていく。


……なんか想像より無難な告白現場だったな。


私はのんきにそんなことを思って、教室に戻ろうとした。

でも。

王子さまはその場から一向に動かない。


校舎や中庭からは、のどかな昼休みのざわめきが聞こえるのに。


彼はたったひとりで立ちつくしたまま、きれいな横顔に影を落としていた。