もともと、アイドルにもモデルにも興味ないほうだし。
王子なんてどこの区域にもいるし、地元の中学にもいたし、そういう人ってだいたいよく見れば普通だし。
だけど入学してすぐ園芸委員で一緒になって、はじめて近くで見た彼は私のぬるい想像をはるかに超えて、王子さまだった。
たくさんの人に囲まれて気さくに笑って、教室中央の席についた彼の。
その澄みきった瞳は、見てはいけない宝もののようにきれいだった。
ああ、まあ、確かに。
確かにあれと目があったら、魅了されちゃうかもしれないなあ。
そうは思った。
それでもやっぱり最後に持つ感想は、ふうん、だった。
ふうん、のまま過ごせたらよかった。
あんな顔、知らなきゃよかったんだ。


