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彼、水樹光くんは、この学校のいわゆる『王子さま』ってやつである。
すらっと高い背に、透けるような肌。
ほんとに透けるんじゃないかって思うとき、ある。
光をうけてキラキラ光る、細くやわらかい黒髪。
触ったことはないから、実際やわらかいかはわからない。
きわめつけには、くっきり刻まれた二重まぶたの下の澄みきった丸い瞳。
見た人すべてに一瞬で、スペシャルな印象を植えつけてしまう。
彼の『王子さま』たる所以は、その並外れたルックスだけじゃない。
まず、当たり前のように頭がいい。
成績学年トップの座は、1年のときから落としたことがない。
でも塾には行ってないらしいから、謎めいてる。
もちろんスポーツも万能。
体育祭では個人種目でのきなみ1位をかっさらい、C組を優勝に導いていた。
でも部活には入ってない、謎めいてる。