恋はだれかから教えてもらうようなものじゃない。
ましてや、勉強するものじゃ。
そんなことも知らないなんて、この王子さまはちょっとずれてる。
あと、たやすく触れすぎだと思う。
うれしいけど、うれしくなっちゃうけど。
悲しいのかうれしいのか、もう全然わからなくなりながら平然をよそおって聞く。
『いつ会うの?』
『んー。晴れの日?』
『晴れの日?』
『ここ屋根ないし。晴れの日、ここで会お』
『……晴れの日って、なんかばっくりしてるね?』
晴れの基準は人それぞれだ。
『んー、確かにばっくりしてんね。あ、春田さんこのアプリ入れてる?』
水樹くんはブレザーのポケットからスマホを取りだして、太陽のマーク、オレンジ色のアイコンのアプリを見せた。