そう、あの日、私と水樹くんが放送室で想いを伝えあった日。

わざとなのかわざとじゃないのか、水樹くんはマイクの音声を切っていなかったらしく。


放送室での私たちの会話の一部始終が、放課後の校舎に堂々、響きわたっていたというのだ。


放送部のふたりとは後日、私も水樹くんもすごく仲良くなったんだけど、この件に関して、


『おもしろいから、ほっといたんだよ』

『王子の公開告白、聞きたかったし』


なんて平然と言うから、ひどい人たちだ。


『でもおかげで、王子のぞっこんラブが全校生徒に一気に伝わったんだし』

『結果オーライだぜ?』

『新聞部なんて号外だしたもんね』 

『あれは祭りだったなあ~』



なんにも知らない私が、休み明けに学校にいったら、本当にお祭りさわぎだった。