さらに照れる私をよそに、水樹くんはローファーを脱いでレジャーシートにあがり、腰をかがめてちゅ、とキスを落とす。


こういうことも平気でするんだよなあ、この人は!

正真正銘、ナチュラルたらし王子だ。



真っ赤な私の顔を楽しそうにのぞきこんだ水樹くんは、幸せそうに笑って、すとんと私のそばに座った。


「ひざまくら、ください」


私の返事を待たずに、ころんと寝転がり私のひざに頭を乗せる。


レジャーシートを導入してから、水樹くんは疲れると必ずひざまくらを欲しがる。


もう何度もしたけど、私はいまだに慣れなくてドキドキして、動きがぎこちなくなってしまう。


「ねー、いい加減慣れなよ」


水樹くんのきれいな顔が、真下から私を見あげて言った。


「もう学校公認の仲だし」

「それは言わないで……!」



水樹くんはくすくす笑って、私の髪先をつまんだ。


「かわいい彼女だな」