「めっちゃ好き」
水樹くんの心からぽろりとこぼれたみたいなその言葉に、胸がいっぱいになって、水樹くんの濡れた髪をきゅ、と握る。
水樹くんは顔をあげずに、右手で私のその手を握って言った。
「ねーこれ、好きすぎてどうすんの」
「どうしましょう」
「恋こわいわ」
「ね、ほんとにね」
ぼろぼろだもんね、私たち、今。
私たちは、手を握りあったままくすくす笑う。
あたたかい恋につつまれて。
「……でも、スバラシイね」
水樹くんは私のひざから顔をあげて言って、そっと唇にキスをした。
「……あとやっぱ上履きは買いかえようね」
「はい」