うんってうなずく。
そうだね、本当に、そうだね。
「全部、春田さんから教えてもらった」
「私だって全部……水樹くんから教えてもらったんだよ……っ」
言ったら、ははって水樹くんは無邪気に笑って、おでこを私から離した。
見つめあう瞳の距離は、手のひらふたつぶんくらい。
「春田さんのことが好きです」
ねえ、こんなの奇跡みたいだね、水樹くん。
しゃくりあげて泣く私を、愛しそうに見つめる、愛しい瞳。
「正真正銘、恋です」
「うん、知ってる」
「春田さんだけの男にならせてください」
涙でぐちゃぐちゃの顔で、めいいっぱい微笑んでうなずいた。


