やってしまった。
泣いてしまった。
責めてしまった。
おまけに投げつけてしまった。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
あんなこと言うつもりで、あそこに行ったんじゃないのに。
ただ好きだよって、伝えたかっただけなのに。
笑わせるどころか、ひどいことしてしまった。
『水樹くんのこと好きな私が、水樹くんの誕生日に作ったクッキー』
どさくさに告白しちゃったし。
もうあわせる顔、ない。
ガラガラ、と保健室のドアを開けると、白衣を着た先生がおどろいて私を見た。
「ちょっとあなたどうしたのそれ!」
そりゃおどろくよね。
全身ずぶ濡れで、上履きも履いてなくて、靴下どろんこで、顔までびじょびしょだし。


