学校イチのモテ王子は、恋を知りたい



そんなことに戸惑ってる俺なんて、おかまいなしで春田さんは。


かわいいなんて、言っちゃだめだって。



『水樹くんが、いつか出会うたったひとりの好きな女の子のために、言うための言葉だからだよ』


『水樹くんとその子のための、言葉にするべきだからだよ』



まじめな顔で、そんなこと、言ったけど。



目の前のきみが、そんなことバカまじめに伝えようとするきみが、俺にとってそのたったひとりの女の子だって、わかってたよ。


恋だって、教わらなくたってわかってたよ。


だれかを自分のものにしたいって、生まれてはじめて思ったよ。


でもそれ以上に。



笑っててほしい、笑わせてあげたい、笑顔が見たいって。



キスしたのも抱きしめたのも、ただそれだけの気持ちで。