竜王様の突然のご乱心(?)に驚き固まっている間にシエナたちに回収されていたようで、気が付けば自分の部屋に戻っていました。しかもいつの間にかお風呂も入って、ドレスに着替え終わってるし!?
「ハッ!」
「あ、ようやく正気に戻られましたね」
「おう……なんかいろいろ進んでる」
「もうお時間も迫っていますし」
「ええっ!? 大丈夫!?」
「はい。むしろ余裕です」
「よかった。ちなみに私は自分でお風呂に入りましたか?」
「ご安心ください。自分で入られましたよ」
「ふぅ」
 安心したところで改めて姿見を見ると、見た目完全なお嬢様が出来上がっていました。先日調整をお願いしたビスチェの胸元も、ストレートかつ深めに調整されていて、こちらも一安心です。
 髪はハーフアップに結い上げられていました。両サイドは緩めのねじり、トップスと一緒にふわっとまとめ、下ろした髪は華やかにウェーブまでかかっています。結び目のところに、首飾りと同じパールのような宝石を散りばめています。仕上げに首飾り、首飾りに合わせた耳飾りをつければ〝にわかお嬢様〟の出来上がりです。