鰹節の件がなんとかなりそうなので、次はアスターのおやつです。
「昨日のクッキーに、今日はジャムを挟んでクッキーサンドにしよう」
 昨日のおやつに作ったのがまだ残っていたので、ちょっとリメイクします。同じものは出せません。モーブさんのお店は基本的にお食事処なので、ジャムのようなスイーツ系は置いていません。ということで、ジャムも作るところから始めます。ジャムにする果物がなかったので、市場に買い物に行かせてもらいました。

「クッキーも手作り、ジャムも手作り。愛情たっぷりだよ〜」
 市場でちょうど手頃なイチゴを発見したので、それを買って、煮ることにしました。分量? 何それテキトーです。買ってきたイチゴを水できれいに洗い、ヘタを取ったら鍋へ。砂糖をザブザブと入れたらあとは弱火でぐつぐつ煮るだけ。ちょこっとりんごの皮を入れるのを忘れずにね! 
 しばらくすると厨房にあま〜い香りが漂ってきました。
「う〜ん、いい匂い!」
 あ、そうだ、お城でもジャムも作ってみようかな。クッキーもいいけど、スコーンにつけて食べるのも美味しいしね。きっと竜王様も喜んでくれると思うんだ。
「ふふふ……何かにつけて竜王様のことを思い出すようになってきたなぁ。たった二日なのに。というか、ここにきてお料理のアイデアがバンバン湧いてくるのよね。ストレスの反動かな」
 自分でも気持ちが軽くなってきているのがわかります。やっぱり勉強やお稽古ばっかりは、私に向いてないんです。帰ったら今後のスケジュールについて、じっくり話し合ってみよう。きっと竜王様なら、私の話を聞いてくれるはず。
 また今後の光明を見だしたところで、ジャムが完成しました。