カツオ出汁や合わせ出汁、味噌汁のレパートリー(と言っていいのか?)も増やしたいし、アスターのおやつも作らなくちゃいけないしと、たった二日で大忙しになりました。
「竜王城でも忙しかったけど、〝忙しい〟の内容が違うんだよなぁ」
 お勉強で忙しいのと労働で忙しいのは訳が違うんです。まあそれは置いといて。今は目先のお仕事に集中しましょ。

 まずはカツオ出汁、こちらもアラに続いてモーブさんから太鼓判をもらいました。
「昆布の出汁とはまた違った旨みがあるね」
「そうなんですよ。これをベースに味噌汁だけじゃなく、煮物も作ったら美味しいんです」
「へぇ。ライラの好きに作ってみたらいいよ」
「ありがとうございます! できたらこの鰹節も作りたいんですけど」
「そこから作るのかい! う〜ん……それは偶然できたものだったからねぇ。そうだ、マルーンに相談してみな。今日来るはずだから」
「そうしてみます」
 海辺の村から魚などの行商で定期的に都に来るマルーンさん。海辺の村でお別れして以来だから、ご挨拶できるの嬉しいですね。あ、馬車の定期便のことを竜王様にお願いするの忘れてるわ。