「おいしい!」
「た〜んとお食べ」
 アスターは、まだちょっと温かい、出来立てのクッキーを頬張ってくれました。その食べっぷりで、喜んでくれているのが伝わります。お姉ちゃんは嬉しいよ。
「きょうはね、じーじとばーばがおびょうきだから、ママといっしょにきたの」
「そうなんだ」
 クッキーを食べながらアスターはポツポツとおしゃべりしてくれました。なるほど、そういう理由で今日はここにきたんですか。まだ幼いアスターに病気が伝染っては大変だもの、ラピスさんやそのご両親の愛情を感じます。
「パパもね、おしごと、いそがしいの」
「そっか」
「ほんとはパパとママと、もっといっしょにいたい」
 アスター、君、健気すぎでしょ。泣けてくるわ。これくらい幼いと、やっぱり寂しさ感じるよね。
「でもね、おしごとがおわったり、おやすみの日には、いっぱいあそんでくれるんだよ。だからね、がまんできるの」
「お姉ちゃん、そろそろ泣いていいかな?」
 こんなの涙腺崩壊しちゃう。
 私も、前世の記憶というややこしいもののせいで、この世界に一人ぼっちと感じることあるもんなぁ。なんかちょっと、アスターの寂しさに共感するものがあります。
「よし! また明日も美味しいおやつ用意しとくね!」
「わぁ! ありがとう」
 その輝く笑顔が見たいから、おねーちゃんは頑張るよ。