「…………気がしない…………」
「ライラ?」
「できる気がしない……」
「どうした?」
 どうやら思考が口に出ていたようです。竜王様が怪訝な顔をしています。

 あ〜もうダメだ。ストレスでおかしくなっちゃう!!

「毎日毎日休む暇なく勉強にレッスンにで、またこれから勉強する内容が増えるなんて、できる気がしないって言ったんですっ!!」
 なんかストッパーが外れたみたい。うっかり思ってることをぶちまけてしまいました。
「期待に応えようとは思ってこれでも頑張ってるんですけど、キャパってもんがありまして。もうね、一杯一杯なんですよ! たまには休みとか、気分転換とか、とにかくリフレッシュさせてください!!」
 毒を食らわば皿までだ! はっはっは〜。思ってること全部言ってやったぜ。ワイルドだろぉ……って、違うか。もう怒られてもいいや。ヤケクソだ。思ってること全部言えてちょっとスッキリしたぞ〜!
 ちょっと興奮しちゃったから肩で息をしてたんだけど、息を整えながら竜王様を睨みました。竜王様はさっきまでの怪訝な表情から、よく見る無表情に変わっていました。そして一言。
「——部屋に下がれ」
 竜王様の言葉が重く響きます。やっぱり怒らせちゃったようで、ランチの途中だというのに退席を命じられました。
「申し訳ございませんでしたっ! 失礼します!!」
 逆ギレ気味に謝って、私はダイニングを出ていきました。
 これはもう、お妃候補から外されたことでしょう。