これからの予定に憂鬱になりながらも、しっかり朝食はいただきました。大変美味しゅうございました。
「片付け、手伝いますよ」
「大丈夫でございます」
「え、でも——」
「大 丈 夫 で ご ざ い ま す」
「あ、はい」
 笑顔のメイドさんたちから発せられる『触ってくれるな』オーラ。そうでした、私、破壊魔でした。私が手伝うということは、余計な仕事が増えるということ(に等しい)。ただでさえ忙しい彼女たちのお邪魔をしてはいけないのです。私は静かに食器類が片付けられるのを見守りました。
 綺麗に片付けられたテーブルにポツンと一人。次のやることを待つだけの身。いつも以上に〝できない子〟感が満載で情けない……と私が密かにしょぼくれていると、フォーンさんが部屋に入ってきました。
「お待たせしました。では、参りましょう」
「これからどこに行くんですか?」
「座学は基本、図書室で行いますので、そちらでございます」
「わかりました」
 なるほど、理解。勉強といえば図書室と相場は決まってますね。どこの世界も同じようです。