「ライラはその『フォーリッジ辺境伯』の令嬢ということで、女王が身分を保証し、後見をするそうです」
「これで建国記念行事に現れた〝謎の令嬢〟の正体が明かせるね」
「そう。ライラは『薬草の領地を引っ提げ』てきただけでなく、『厄介なヴァヴェルとの架け橋』ということになりますね」
 スプルース様が言うまで忘れてたけど、あの時の私は『まだ明かせないけど商談を進めているところのご令嬢』という設定でしたね。まさかこんなふうに伏線回収できるとは。偶然の産物だけど、あまりに綺麗にハマったので感心してしまいました。
「ヴァヴェルから迎えた妃といえど、こんだけ重要人物なら歓迎されるだろ」
「ああ」
 竜王様や三将様たちはなぜか確信してるけど、そんな上手く事が運ぶのかしら。