竜王国に帰ってきたその足で、私たちはアスターの元に直行しました。竜王様が着地した瞬間の、重い地響きに驚いたラピスさんが飛び出してきました。
「なっ…………何なの…………」
「ラピスさん! 外に出てきて大丈夫なんですか!?」
「ライラ? え? 体調はかなりマシになったんだけど……これはどういうこと?」
「よかった〜! アスターは? アスターも元気になりました?」
「あの子はまだ調子が悪くて寝てるけど……いやほんと、これはなに?」
「説明はラピスさんたちが元気になってからしますので、とりあえず今は、この薬を飲んで養生してください」
「薬?」
「今回の病に効く薬です。まだ薬草のままだけど、煎じて飲むだけでも効果はあるそうなので、真っ先に持ってきました。アスターに……早く飲ませてあげてください!」
「ライラ……ありがとう! 早速飲ませるわ」
「お願いします」
 私は薬草の袋から十分な量のエフェドラを取り出し、ラピスさんに渡しました。たっぷり渡したので、家族分は十分に賄えると思います。早く良くなってね、アスター!