支度を整えると、私は約束の時間に女王様の部屋を訪ねました。お部屋では、すでにウェルド氏が転送のための魔法陣を描いていました。魔法陣が何たるかを勉強した後で見ると、ウェルド氏の描いているものとスプルース様が描いてたものは、似て非なるものでした。違いがわかるライラさんですよ。曼荼羅みたいに見えるのは同じだけど。
「できましたよ。こちらへどうぞ」
「はい」
 私は採った薬草を入れる麻袋を持ち、魔法陣の中心に立ちました。
「許される時間は日没までよ。気をつけて行ってらっしゃい」
「はい!」
 ウェルド氏の呪文とともに文字が発光し、それがどんどん明るさを増して、とうとう周囲を飲み込んでしまいました。