「そういえば、ウェルドさんの顔を今まで見てなかったんですか?」
「あらだって、私は竜王様一筋だったもの〜。うふふふふ」
 竜王様以外は眼中になかったようです。よかったね、ウェルド氏。顔を見てもらえましたよ。その上、面食い女王様のお眼鏡にかなったようですよ!
 棚ぼたな感じにはなりましたが、ウェルド氏の特殊な味覚——もとい、愛の力のおかげで、私は女王様からのミッションを両方ともクリアすることができました。
「女王様」
「なあに?」
「お願いが叶ったということで、例の、薬草のことを教えていただきたいのですが」
「ああ、あの草のこと?」
「そうです」
「いいわ。地図を見ながらお話ししたいから、私の部屋に来てくれる?」
「わかりました」
 私は自分用のお茶を片手に(油断は禁物!)、女王様の後について行きました。