ここまで特に問題なく辿り着いてしまいました。しかし、まだ罠という可能性が捨てきれていないので、油断は禁物です。最悪女王様と刺し違えってことも有り得る……あ、私丸腰だから違られないわ、一方的に刺されて終わりだわ。と・に・か・く、警戒は解かないに限ります。
「よく来たわね。まあ、お茶でもどうぞ」
「ありがとうございます」
 って、飲まないけどね。竜王国に送り込まれた時も、確かお茶かなんかに薬を仕込まれた気がするから、これは飲んだらあかんやつ!
 私が全くお茶に口をつけていないのに気付いた女王様が笑いました。
「随分警戒されてること。竜王様に入れ知恵されたのかしら?」
「いえ、そうではありません」
「あ、そ」
 そっけなく返事をすると、また優雅にお茶を飲みました。