「どういうアポなのか知らないけど、あまりにあっさりしすぎて逆に疑っちゃう」
 竜王様たちが女王様に話を通してくれているんだろうけど、罠とも限らないし……警戒はしておこう。潜んでいる兵士が出てきて私を捕えようとするかもしれないということを想定し、慎重にお城の玄関に向かって歩きました。久しぶりだなぁ。女王様に記憶を消されてから初めての帰還になるのか。それがまだ一年も経ってないっていうのに驚きだわ。もう何年もヴァヴェルに来てない感覚だし、自分の生まれ育った場所っていう感覚もなくなってきています。竜王国を離れてみて、改めて竜王国に馴染んで来てるんだなぁって感じました。ますます役に立ちたいという気持ちが強くなりました。