どういう交渉をしたのかその後のことは詳しく知りませんが、翌日、また私は竜王様の執務室に呼ばれました。まだ軽食用のスープもできてないし、そもそもなんで呼ばれたのかも全くわからないままお部屋に行くと、竜王様と三将様が揃って私を待っていました。
「ヴァヴェルの女王と、薬草の件で交渉をした」
 単刀直入に竜王様が言いました。
「直接あちらの国に行くのは時間がないので、今回は遠隔で面会させていただいたんですが……いやはや」
 インディゴ様が『やれやれ』といった面持ちで首を振っています。またあの女王様、何かやらかしたか突拍子もないこと言い出したのかな。
「それと、私がこちらに呼ばれた件はどう繋がりがあるんでしょうか?」
「女王が、『薬草が欲しければライラが取りに来い』って言ったんだよ」
「それも、一人で、な」
「はあ?」 
 なぜ私が一人で(・・・)ヴァヴェルに行かないといけないんですか? いや、わけわからん。
「ライラ、君が何か薬草に関する秘密を知っているとか?」
「いえいえ。どれが薬草かも知らないし、どこに生えているのかも知りませんよ」
「では、なぜ……?」
 女王様の意図が全く分からず、四人で頭を抱えました。