宴が終わり、お客様を見送るのは竜王様のお仕事なので、私は先に退出させてもらいました。
「お疲れでしょう。お部屋にお茶でもお持ちしましょうか?」
「いいえ、大丈夫よ。自分で行くから」
「はい?」
 首を傾げるシエナたちにお構いなしで向かった先は、もちろん厨房です。
「ライラ……あんた、なんという格好で……」
 綺麗なドレス姿のまま現れたかと思うと椅子に倒れ込むように座り込んだ私を見て、戦場を乗り切ってホッと一息ついていたトープさんが呆れていました。
「めちゃくちゃ疲れました〜。冷たいお水をいただいてもいいですか?」
「好きにすればいい……って、その格好じゃ動きにくいか。マゼンタ、手伝っておやり」
「はいはい」
 そう言うとマゼンタは、私のためにお水を入れてくれました。
「おいし〜、しみる〜」
 会場整理(?)のためとはいえ、指示を出すたびに飲み物をいただいていたので若干飲みすぎました。食べ物も少しは食べたけど、あまり公衆の面前でがっつくのもアレなので自重したから余計に回ったのかも。アルコールに弱い方じゃなくて良かったけど、チェイサーって大事ね。次の課題にしておこう。
 そのまま何杯かお水を飲んだら、かなり回復しました。