幸せとはこの事か

ふと目を覚ましたら、ブレザーがかけられており、紅幸くんから「おはよう」と声をかけられる。
すっかり寝てしまっていたみたいで、体を起こしてスマホを確認すると14時30分。
もう既に5時間目は終わっており、6時間目も始まってしまっている。
おきな「え!すごい寝ちゃってる…2時間ちかく??起こしてくれなかったの?」
紅幸「いやー、あんなに気持ちよさそうに寝てるとお昼休み終わったとは言え起こせないじゃん?だから、ゆっくり寝させたの」
優しい気遣いに心があったまるが今はそれどころじゃない。
おきな「みんな驚いちゃうよ…2時間2人で欠時したら」
紅幸「大丈夫っしょ!それに、元々言えば昨日俺がワガママ言って勉強遅くまで教えて貰ってたんだから」
おきな「いいよ、気にしないで。私も復習できたしっ」
そう言いながらもすっかり目が覚めて、眠気もなく気が楽になる。
ブレザーをいつまでも持ってることに気付き、紅幸くんに返す。
おきな「ありがとう、貸してくれて。いい安眠でした」
紅幸「こちらこそ、いい寝顔が見られたよ」
おきな「勝手に見たのね!」
紅幸「寝る方が悪い」
そう言って優しくキスされる。
おきな「…だからだめだよ、学校じゃ」
紅幸「学校じゃなかったらいいの…?」
おきな「そういう問題でも…」
いつからこんな関係になったんだろうか。
明確に覚えているのにこんな表現間違っている。
そうやって自分に中で自問自答を繰り返す。
おきな「蒼星、悲しむよ」
紅幸「…そっちこそ」
どこかいたたまれない、漂う空気が重いのに、重たくない。
おきな「とりあえず7時間目はでよっか」
紅幸「そうだな、!それまではゆっくりしてこうぜ」
おきな「うん」