紅幸「屋上実は金曜日だけ朝空いてるんだよね」
おきな「どうして?」
紅幸「屋上の隅っこにある花壇。あれ生物の先生のお気に入りらしくて日当り良好のここで1人で大切に育ててるから先生が朝から開けっ放しにするんだ」
私は素直に「そっか」と一言返す。
だけど、会話を続けれなかった。
無情に時間はすぎていく。
紅幸くんから「一旦座ろ」って言われるまで立ちっぱなしだったことに気付く。
2人してカバンを置いていつもご飯食べてる壁際に座る。
お弁当食べるみたいに対面の方がいいかって思ってわざと対面に座ろうとしたら紅幸くんが隣をポンポンと叩いたからそのままそこに座らせてもらう。
何も喋らないまま時間が過ぎていく。
そうして1時間目が始まるチャイムが鳴る。
口を開いたのは紅幸くんだった。
紅幸「…また2人してサボっちゃったな」
おきな「あの時は寝ちゃったからしかたないサボりだよ」
紅幸「…それもそうだな。…サボらせてごめん」
最後のごめんはきっと今のことだろう。
おきな「…いいよ。久々だね、2人で話すの」
4人のときでさえもあまり喋ってないのに本当に久々だった。
紅幸「勝手に連絡やめてごめん」
おきな「…私も連絡取ろうとしてなかったから…同罪だね、けど、朝起きて居なくなってたのはびっくりしたや」
紅幸「ごめん」
おきな「…けどいいんだよ。私たちは間違ってた。神様は許さなかったんだよ。だから強制終了させたんだよ」
紅幸「…」
おきな「私も、紅幸くんもこれでいい…はずなんだけどな…」
言いながら涙があふれる。
おきな「どうしても忘れようにも紅幸くんのこと考えちゃってた。」
溢れる涙は止まり方を知らない。
おきな「姐百音に何回も心配されたの。元気がないって。私は気付かないふりしてたけど、紅幸くん…私、まだ紅幸くんのこと好きだよ」
はっきり言ってしまった。