教室の前で姐百音と蒼星と分かれる。
紅幸くんと2人になっても特に喋らず一緒に教室に向かうだけだった。
別に後悔があるわけじゃない。
もともと私たちがしてたことは間違いでしか無かったから。
それを元に修復しただけだった。
だけど、何故だか心が痛くて苦しくなる。
ただ、最近分かるのは紅幸くんもきっと無理をしているんだろうなって、何となくわかる。だけどそれは口には出さないで心で止める。
教室の扉の近くまで歩くが紅幸くんは素通りする。
私は思わず「入らないの?」って聞いてしまった。トイレに行くのであれば通り過ぎていた。
紅幸くんは振り返り、あの時の表情をしていた。
あの時、色んな時があったが1番辛そうで苦しそうだったあの時。
私は何も言わず紅幸くんについて行く。
朝は廊下にも教室にも人は沢山いる。
私たちに気付かない人もいるだろう。
気付いたとしても特に疑問もないと思う。
そうやって思い込んで何も言わず着いていく。
慣れた階段を登って紅幸くんと屋上にでる。
本来屋上は朝は空いていなかった。大体1時間目始まるくらいに開けに来ている、と紅幸くんに聞いていた。不思議に思ったがそれはすぐ解消される。