夜の事だった。


───俺とリヒトが
眠りについてから暫く。
ドアを挟んで声が聞こえてきた。
それで俺は目を覚まし、
話を聞いていた。
「あなた、ウチにはもうお金が…。」
母さんは哀しそうな声色で話した。
父さんは頷くばかり。
「やっぱりあの人に
 預けるしか方法は無いのかしら?でも、リヒト一人じゃ……。」