秘書になった記念にもらったのだから嘘じゃないけれど、なんとなくやましさが疼く。
加郷は、冗談にしろ専務が私を好きだと言っていた。
全力で否定していたけれど、ブレスレットが専務からのプレゼントと知ったらきっと誤解されてしまうだろう。それでは専務に申し訳ない。
(ごめんね加郷。本当のことは言えないの)
胸の内を知ってか知らずか、加郷は意味ありげにニヤリと口元を歪める。
「変わったといえば、吉月、お前も最近変わったな。笑顔を見せるようになったし、モテっぷりもうなぎ登りだ」
「もう、私宛のメール見ているのね」
キッと睨むと、加郷は肩をすぼめてみせた。
「見たかねぇけど仕方ねぇし、仕事だし」
「こんなところで吉月紗空と話こんでるなんてバレたら、俺は袋叩きだな。この前も営業の奴らに『加郷お前、吉月さんと同期なんだから、なんとかしてくれよ』って言われたしな」
「だから、彼らは違うの。なんだかんだ言って、私をエサに須王専務とお近づきになりたいだけなんだから」
加郷は、冗談にしろ専務が私を好きだと言っていた。
全力で否定していたけれど、ブレスレットが専務からのプレゼントと知ったらきっと誤解されてしまうだろう。それでは専務に申し訳ない。
(ごめんね加郷。本当のことは言えないの)
胸の内を知ってか知らずか、加郷は意味ありげにニヤリと口元を歪める。
「変わったといえば、吉月、お前も最近変わったな。笑顔を見せるようになったし、モテっぷりもうなぎ登りだ」
「もう、私宛のメール見ているのね」
キッと睨むと、加郷は肩をすぼめてみせた。
「見たかねぇけど仕方ねぇし、仕事だし」
「こんなところで吉月紗空と話こんでるなんてバレたら、俺は袋叩きだな。この前も営業の奴らに『加郷お前、吉月さんと同期なんだから、なんとかしてくれよ』って言われたしな」
「だから、彼らは違うの。なんだかんだ言って、私をエサに須王専務とお近づきになりたいだけなんだから」



