「どうもこうもないよ。何の仕事もないの。基本はカウンターに座って受付だって。ねぇ加郷、何か知らない? 私どうして秘書課異動になったんだろう」
加郷は相変わらず無表情のまま「専務、お前のこと好きなんじゃねぇの?」などと、恐ろしいことを言う。
他の人ならいざ知らず、加郷が言うと冗談に聞こえないから困る。
「だから、それ絶対にありえないから」
フンと加郷は鼻で笑う。
「それ以外の理由は考えつかない」
「もう。本当にやめて」
結局、加郷は何も知らないようだった。
なにかわかれば教えてくれると約束してくれたけれど、期待は薄い。
加郷に『理由でなにかが変わるのか?』と聞かれて、私は何も答えられなかった。
わからないのが気持ちが悪い。それだけなんだけれど……。
『暇なことが悩みだなんて、贅沢だぞ。ただ腐ってないで、その時間を利用して勉強でもしてればいいじゃないか』
加郷の言う通りなんだろう。
理由なんて関係なく、ただ頑張ればいい。どうせ考えたってわからないのだから。
加郷は相変わらず無表情のまま「専務、お前のこと好きなんじゃねぇの?」などと、恐ろしいことを言う。
他の人ならいざ知らず、加郷が言うと冗談に聞こえないから困る。
「だから、それ絶対にありえないから」
フンと加郷は鼻で笑う。
「それ以外の理由は考えつかない」
「もう。本当にやめて」
結局、加郷は何も知らないようだった。
なにかわかれば教えてくれると約束してくれたけれど、期待は薄い。
加郷に『理由でなにかが変わるのか?』と聞かれて、私は何も答えられなかった。
わからないのが気持ちが悪い。それだけなんだけれど……。
『暇なことが悩みだなんて、贅沢だぞ。ただ腐ってないで、その時間を利用して勉強でもしてればいいじゃないか』
加郷の言う通りなんだろう。
理由なんて関係なく、ただ頑張ればいい。どうせ考えたってわからないのだから。



