それなのに。 「結婚してくれる?」 嘘でしょう? でも、専務。私たち、まだ恋人でもないんですよね? 順番おかしくないですか? そう思ったらおかしくて、瞳から涙が溢れた。 大きな薔薇の花束を受け取ると、専務の長い指が、そっと私の涙をぬぐってくれた。 「はい……専務」 あなたはいつだって、唐突に私を惑わせる。 専務。 そんなあなたが、私はどうしようもなく好きです。 .。. fin .。.:*・゚