布を外すと、
「助かったよ」
「あみちゃん」
2人は元気そう。よかった。
「ケガはない?」
「大丈夫。それより、はやく手の縄を解いて」
「ああ、そうよね」
手の縄を解くと、さっそく春音くんが作戦を──って思ったら、
「それで、この後はどうする」
「あ、あたしが決めるの!?」
「さあ、はやく。時間もないでしょ」
「そ、そうだけど」
なんであたしなの? いつも作戦は春音くんが。
「おい、あみ! そっちに行ったぞ!」
今度は蓮の声がしたと思ったら、
「待ちなさい!」
血相を変えたメイドさんが扉の前にいた。
「あみ、どうする」
「あみ、ちゃん?」
どうするって考えてる暇ないじゃない!
「に、逃げるわよ!」
あたしはメイドさんのいるドアとは反対に走り出して窓を開けた。
「2人ともここから出よう!」
そして、窓から表にジャンプする。
春音くんも後に続いて窓を乗り越えて、ことりちゃんをふたりで、引っ張り出そうと手を伸ばすと、
「待てって言ってるのよ!」
メイドさんが止めようと走り込んできた。
まずい!


