メイドさんがヒュンって動いたと思ったら、大きな大悟さんがぐるりと一回転して、バタン!
「……」
ええ!? 白目むいて倒れちゃってる!
「私、普段はおとなしいメイドのフリしてたけど、実は空手と柔道と剣道の有段者なの。ああ、それにボクシングもプロ級よ」
クマみたいに強そうな大悟さんが、簡単にやられちゃった。
「これで分かったでしょう、蓮くん。それにあみちゃん。私には勝てないわよ」
メイドさんは言いながら、あたしを冷たそうな目で見る。
き、気づかれてたー!?
でも、いつ?
「最初から気づいてたわよ。職員室のドアをそっと開けようとしていたこともね」
ど、ど、ど、どどどどどどうしよう!?
女の人なら蓮がなんとかしてくれると思ってたけど、あの大悟さんが勝てない相手なんて無理じゃない。
「大丈夫だ、あみ」
「え?」
「おれにはこれがある」
言うと、柱の陰から現れた蓮は急に奇妙な動きをしだした。
あれ? これって……。
「ダンス!?」


