「走る!」
言われるまま、あたしは玄関に向かってダッシュ。
──したけど、ドアまで来たところで、
「あみ、ストップ!」
蓮の制止の声。
「え? なに? どういうこと? 逃げないの?」
振り返って見ると、蓮は犯人に近づいていく。
「れ、蓮! 危ないわよ」
いくら蓮でも、あんな怖そうな筋肉ムキムキでクマみたいな犯人に──ってあれ?
慌ててたから声で気づかなかった……。
よく見たら、蜘蛛のおもちゃを口からゲーゲー吐き出していたのは、
「大悟さん!」
だった。
「いったいどうなってるの?」
「それはこっちが聞きたいぞ。ことりから助けてくれっていうSOSがメールで届いて、急いで家に来てみればスマホだけが置いてあって誰もいない。侵入者だと思えばことりの友達のお前らだ。一体ことりはどこへ行ったんだ」
「ええと……」
ああ、どうしよう。なんて言えばいいの。全然思いつかない。
横を見ると、蓮も困り顔。
「だいたいいまは夜中だぞ。お前たち、ちゃんと親には言ってあるんだろうな」
うっ、……犯人じゃなかったのはよかったけど、これはこれでピンチよね。
ここは一旦、家に帰るフリをして──って、え!?
ちょっと待って!
ふと窓の外を見ると、家の横にあるガレージのシャッターが開いていく。
そして中から、見覚えがある黒い車が出てきた。
「蓮、あの車!」


