なんとなく触ったら玄関の扉開いちゃった。
「あみは魔女かなにかか」
「そんなわけないでしょ。開いてたのよ」
電気が消えた家の中をゆっくりと進む。
「気をつけろよ」
「そう言われても何も見えないんだけど」
「そのうち目が慣れるから、俺の服を掴んでおけ」
「う、うん」
あたしは言われるがまま蓮の服をぎゅっと掴んで後ろを着いていっ──
たのに。
「ふぎゅっ!?」
痛ったーい!
急に立ち止まるから蓮の背中に鼻ぶつけた。
「ちょっと蓮、止まるなら言ってよね」
「悪い。それより、ほら。あそこに階段があるだろ。その上」
「あ、電気」
蓮が指さした方にうっすら階段が見えて、その上、二階の部屋から明かりが洩れていた。
「誰かいるのかな」
「行ってみよう」
「ちょ、ちょっと待って! 犯人だったらどうするの!?」
「その時はこれを使う」
「なに──って、キャッ!?」
突然目の前に現れたのは、大きなゴキブリ!


