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「おい、静かに歩けよ」
「うん。……でも、暗いね」
「そりゃあ夜中だからな」
今は夜の十二時。
朝学校へ行ったばかりなのに、もう真夜中。
それはもちろんタイムリープをしたからで、向かった先は春音くんとことりちゃんが捕まっている場所。
大きな白亜の家の前で、あたしと蓮は立ち止まった。
「ねえ、本当にここなの?」
「ああ、確かに変だけど、GPSはここを指してる」
「でも、ここって……」
「ことりの家だな」
そうなの。なんでかは分からないけど、蓮の言う通り、春音くんのスマホはことりちゃんの家にあるの。スマホ画面の地図上の点は、間違いなくここを指しているから。
ということは、誘拐された二人はここにいるってことになっちゃうの。
「どういうこと?」
「おれが分かるわけないだろ。でも、まあすぐに分かるさ」
蓮は軽くジャンプすると、自分の身長の二倍ぐらいある塀をひょいっと上って、内側から門の横にある小さな扉を開けてくれる。
相変わらずすごい運動神経よね。
「蓮って、本当は忍者かなにか?」
「そんなわけないだろ。さあ、行くぞ」
「おじゃましま~す」
綺麗な芝生の庭を横切って、そっと玄関に着く。
「どうやって中に入るの?」
「窓とか裏口とか手当たり次第に開いてる所を探すか──って」
ガチャリ。
「あ、開いちゃった」


