そう言って蓮はスマホを取り出すと、あたしの顔の前に差し出す。
画面には、地図とその中に動く青い点。そしてGPSと現在地の文字。


「そうだ! 蓮と春音くんのスマホにGPSアプリを入れて、それで居場所を探して助けに行くんだった」


そう。これが春音くんが立てた作戦その1。

【スマホのGPSで連れて行かれた場所を特定する】

蓮のスマホを見れば、春音くんの居場所が分かるってわけ。

春音くんは、最初から誘拐されると分かっているから、バレないように靴下の中にスマホを隠し持っているの。

ヒントは、もしなにか気づいたら残すことになっていたんだった。


「それじゃあ戻ろうか」


「戻る? どこに?」


「もうすぐ一時間だ」


そうだった。あたしと蓮はタイムリープしているんだ。


「救出作戦の準備もしなきゃだしな」


「うん……」


ここまで来て、残念だけどあたしたちは一旦もとの時間へ戻ることにした。


ごめんね。ことりちゃん。それに春音くん。

絶対に助けるからね。