放課後TLクラブ


※※※


時間は朝の七時過ぎ。

みんながあたしを迎えにくる三十分前。
タイムリープしたあたしと蓮が大急ぎで向かった先は、


「蓮とあみ? こんなに早くどうしたんだい?」


まだちょっと眠そうな春音くんの自宅。

おばさんに無理を言って入れてもらうと、あたしたちは春音くんの部屋に押し掛けた。

勉強を教えてもらうのに何度か来たことがあって助かった。
おばさんも「忘れ物?」ってよく分からないこと言ってたけどすぐに入れてくれたし。

肝心の春音くんは、


「……もしかして、緊急事態発生?」


すぐになにかに気づいたみたいで、眼鏡を指で押し上げる。


「よく分かったわね」


「2人とも息を切らせてるってことは、急いでここまできた証拠だし。この後の会う予定まで待てなかったってことは、時間がないってことでしょ。──待って。ということは……もしかして、2人は今タイムリープしてる?」


「すっごーい! まだなにも言ってないのに、そこまで推理出来ちゃうなんて、さっすが頭脳担当!」


「あみ、関心してる場合じゃないぞ。春音の言う通り時間がない。もうすぐことりと大悟さんが来る。その後、うちに寄って最後があみの家だ」


「ああ、そうか」


「そんなに慌ててるってことは、この後のぼくになにかが起こるの?」


「そうなの。ことりちゃんは親と仲直り出来るんだけど、この後、みんなで学校へ向かう途中、なぜかことりちゃんと春音くんが誘拐されるの」


「ぼくも誘拐されるの!?」


春音くんはしばらく驚いてたけど、すぐに考える人ポーズになる。


「……昨日までは、ことりを誘拐していたのはことり自身だったから、まったく別の新しい誘拐事件ってこと?」


「その通り!」