だって、これまでは頭脳担当の春音くんが作戦を立ててたのよ。
あたしと蓮のピーナッツ&ピーマン脳で本物の誘拐事件解決作戦なんて無理よ。
「無理だなんて決めつけるな。おれたちだってやれば出来るはずだ」
「そうかな……」
「出来る。1人で無理ならリコも入れて、3人で力を合わせて考えるんだ」
「3人よれば文殊の知恵なの」
「なに、それ?」
「おバカでも3人で頭を使えばすばらしい知恵が出るって意味なの」
「なるほど! なんか出来そうな気がしてきた」
「単純だな……」
「べ、べつにいいでしょ」
……ん? タンジュン。
「そ、そうよ、それよ!」
「なにか思いついたのか」
「単純よ! 単純に考えればいいのよ。いままでもあたしたちずっとやってきたことよ。難しくなる前に戻って単純に解決するのよ」
「そうか! 言われたら確かに。考えるまでもなかったかもな」
「ふにゅ?」
リコちゃんはまだピンときてないみたいだけど、答えは簡単だったのよね。
だって、いままでずっと誘拐事件を未然に防ぐためにタイムリープしてきたんだもん。同じことをすればいいだけじゃない。
作戦は立てる人が立てればいい。
目の前でことりちゃんと春音くんが誘拐されちゃったからビックリして慌てすぎてたわ。
「よし。そうと決まればすぐにタイムリープだ」
「リコちゃん。お願い」
「作戦は?」
「平気よ。ちゃんとあたしたちの頭脳担当もいるしね」
「そういうことだ」
あたしと蓮が力強く頷くと、
「よく分からないけど、2人とも自信満々なのは分かったなの」
リコちゃんはすぐに白く光り出した。
この状態のリコちゃんに触れれば、タイムリープができるの。
迷わず触れると、視界はぐにょぐにょの世界へと切り替わった。


