「それはたいへんなの」
蓮が昨日のことから順を追って話したらリコちゃんはすぐに理解してくれた。
「春音お兄ちゃんもピンチなの」
「そ、そうなのよ。すぐに助けに行かなきゃでしょ! だから、朝だけどタイムリープさせてくれる?」
「緊急事態だからOKなの」
「やった! 蓮すぐに行こう。──蓮?」
どうしたんだろう。蓮てば珍しくアゴに手を当てて考え込んでる。なんだか春音くんみたい。
「すぐに助けに行くのはおれも賛成だ。けど」
「けど?」
「作戦を考えなきゃ」
「あ、そうか」
目の前で二人がさらわれたから、気がどうてんしてて気づかなかった。いままでタイムリープする時は、失敗しないようにちゃんと作戦を立ててから行ってたんだった。
「よし、考えよう」
「ああ」
「……」
「……」
……。
…………。
あ、あれ?
「ど、どうしよう」
「うっ……」
「思い浮かばないなの?」
全然ダメ! まったくなにをどうすればいいのか分かんない!


